犬がおしりをこすりつける4つの理由 おしり歩きは病気のサインかも
これは、「おしり歩き」とも呼ばれ、一見するとかわいい仕草ではありますが、病気が隠れている可能性があります。
おしりを床にこすりつけて歩いているときは、肛門周囲腺腫、肛門嚢炎、寄生虫、皮膚に炎症があることの4つの原因が考えられます。
「おしり歩き」は、病気を発見する手掛かりになるので、犬が出しているサインを見逃さないようにしてください。
肛門周りの病気やトラブルを予防するためには、どのようにしたらよいのか紹介していきます。
肛門周囲腺腫
肛門周囲腺腫とは、肛門の周りにある肛門周囲腺という分泌腺に腫瘍ができる病気です。
この病気は、雄性ホルモンが関係しているため、去勢をしていない高齢の犬の発症率が高いです。
出血や菌が入って化膿してしまったり、進行すると排便がしにくくなることもあるので、できるだけ早く治療を行いましょう。
治療は、手術で腫瘍を摘出して、再び腫瘍ができないように、去勢手術も同時に行われることが多いです。
肛門周囲腺腫は、去勢をしていないオスに多く見られる病気なので、去勢手術を行うことが予防する方法になります。
肛門嚢炎
肛門嚢(こうもんのう)は、犬が縄張りを主張するときに使う分泌液が入っている小さな袋です。
これは、スカンクやイタチにもありますが、犬はスカンクのように分泌液を噴射するのではなく、通常は便と一緒に排出されます。
しかし、細菌感染を起こしたり、肛門嚢の開口部が閉塞してしまうと、肛門嚢に炎症が生じて、肛門嚢炎という病気になることがあります。
肛門嚢炎になると、肛門の周りを舐めたり、おしりを床にこすりつけたり、しっぽを追いかけるなどの行動が見られることがあります。
発症したばかりの初期の段階では、肛門嚢を絞って溜まった分泌液を出すことで改善することもありますが、進行すると化膿したり、肛門嚢が破れてしまうこともあるので、早めに治療を始めましょう。
肛門嚢炎の予防法は、肛門嚢を絞る(肛門腺を絞る)ことです。
トイ・プードルなどの小型犬は、肛門嚢炎になりやすいといわれているので、トリミングのときにトリマーさんにお願いしたり、やり方を教えてもらいましょう。
瓜実条虫が寄生している
瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)は、サナダムシの仲間で、犬はノミを介して感染します。
片節というお米くらいの大きさの粒が連なる形で体が構成されており、成虫になると50cmほどになることもあります。
おしりや便に、お米のような白い粒がついているまたは動いているときは、瓜実条虫が寄生している可能性があります。
食欲不振や下痢などの症状が見られることがありますが、条虫がいてムズムズするためか、おしりを床にこすりつける仕草をすることがあります。
瓜実条虫はノミを介して感染するため、予防方法はノミの駆除をする、予防薬を使うことです。
皮膚に炎症がある
メスであれば外陰部の炎症があるとき、肛門周りに炎症があるときにも、犬はおしりの周りが気になってしまいます。
犬の皮膚は柔らかいので、トリミングなどでバリカンを使ったときに、炎症を起こしてしまうこともあります。
トリミングをするときに、気になる場所はバリカンを使わないようにお願いしたり、終わったあとに異常がないかを確認してみてください。
また、おしりに便がついているときも、犬はおしりを気にする仕草をすることがあるので、そのときは、ウェットティッシュなどで、拭きとってあげてください。
おしりの周りを清潔に保つことで、細菌感染などを予防することができます。
<おすすめ動画>
<関連記事>
知っていますか?本当は怖い狂犬病の話。狂犬病は、狂犬病ウイルスに感染した動物に咬まれることで感染する病気です。 発症すると死亡率はほぼ100%と言われています。 現在日本では発生していませんが、決して珍しい病気ではなく、日本と南極を除くすべての地域で発生が確認されています。 では狂犬病とはどのような病気なのか詳しく解説していきたいと思います。
<関連記事>
犬の特発性脳炎 最新の診断と治療②壊死性髄膜脳炎に続き、代表的な特発性脳炎である肉芽腫性髄膜脳脊髄炎とステロイド反応性髄膜脳炎・動脈炎をご紹介していきます。
<関連記事>