猫の飼い主様必見!猫に多い下部尿路疾患をしっかり予防しよう!
どちらも再発しやすく、異変に早く気付けるよう愛猫の排尿の状態をしっかり観察し、予防を兼ねた日々の管理が必要となります。
こんな症状が出たら動物病院へ!
下部尿路疾患の症状として、頻尿、血尿、トイレ以外での排尿があります。また排尿を痛がったり、排尿姿勢をしているのに尿が全く出ていなかったり出てもかなり少ない場合は緊急性がありますので、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
緊急の場合でなければ可能な限り尿を取って持って行くと診察や治療がスムーズです。猫が排尿姿勢を取った時に浅くてきれいなトレイなどを股の間に入れ込んで尿を受けると上手く取れます。もしくは、先に動物病院へ連絡して尿を採取する道具があれば、それを先にもらいに行くのもいいでしょう。
下部尿路疾患の原因
膀胱炎の原因としては細菌感染や尿路結石が考えられますが、猫に最も多い特発性膀胱炎の場合は原因がはっきりしないことが多く、考えられる原因としてはストレスがあります。猫は生活環境が変わったり、猫砂の種類やトイレの場所、フードの種類などを変えたことでストレスになることがあります。
次に尿石症の原因ですが、尿路結石の種類はいくつかあり、主な2つがストルバイト結石(リン酸アンモニウムマグネシウム)とシュウ酸カルシウム結石です。
尿路結石ができる原因の1つは尿の濃縮です。尿量が減ると長時間排尿しなくなり尿が濃縮されてしまうのですが、尿量が減ってしまう原因は、寒い冬や肥満の猫の場合運動量が少なく、それによって飲水量が減ってしまうことや下痢などがあります。
その他の原因は尿中にリンやマグネシウム、カルシウムなどのミネラルが増え、尿pHのバランスが崩れることで結晶化してしまうことです。ストルバイト結石の場合尿pHがアルカリ性に傾くことでできやすくなり、シュウ酸カルシウム結石にしても食餌内容や体質が要因となります。
気付かず放置していたらどうなるの?
尿石症の場合、膀胱内の結石が尿道に流れ尿道で詰まってしまう可能性があります。とくに雄猫は尿道が細くて長いため、結石が詰まりやすくなります。
尿が出なくなることで尿毒症を起こし最悪の場合、命を落としてしまいます。丸1日出ないだけでかなり危険な状態となりますので毎日尿がどれくらい出ているか把握することが大切です。
膀胱炎も放っておくと繁殖した細菌が腎臓へ行ってしまい、腎臓も炎症を起こしてさらに状態が悪くなる可能性があります。軽い症状であっても血尿や排尿痛がひどくなってしまうので、できるだけ早く動物病院で診てもらいましょう。
どんな治療をするの?
膀胱炎の原因が細菌感染であれば抗生剤を数週間内服します。
尿路結石が原因であれば基本は食餌療法ですが、尿が詰まっている場合は尿道にカテーテルを挿入し詰まりを取って膀胱内を洗浄します。膀胱内に砂状の結石が多くある場合も膀胱洗浄しながら、ある程度の結石をカテーテルで取り出します。
ストルバイト結石であれば尿pHを酸性よりにすることで溶けるため食餌療法で様子をみますが、シュウ酸カルシウム結石の場合は一度できてしまうと溶けないため、必要であれば手術で取り除くことがあります。
予防するには?
特発性膀胱炎の場合、考えられるストレスの原因を解決し、日々の生活でもストレスを与えないようにトイレ環境やフードを変える時は徐々に行うようにして、猫が安心して暮らせる環境を整え維持しましょう。
尿路結石の予防にはしっかり水分を摂ることが大切です。飲み水は常に新鮮できれいな状態にし、運動させたりして飲水を促しましょう。またキャットフードをウェットタイプにするのも効果的です。
そして結石を溶かしたり、できにくいようにするためには食餌療法は必須といえます。動物病院で勧められる療法食を与え、それ以外のものは与えないようにしましょう。結石ができたことがなくてもマグネシウムやカルシウムなどを多く含むじゃこ、煮干し、のりなどのおやつや、ミネラルウォーターは与えないようにしましょう。
肥満であることも飲水量が減る原因となるため、ちゃんとした食餌管理で太らせないことも大切です。
また、猫はトイレが汚いと我慢してしまうことがあるので、長時間排尿しないで尿が濃縮することを防ぐためにトイレはこまめに掃除し、きれいに保ちましょう。尿の色がわかりやすい猫砂にするのも早く異常に気付けるのでお勧めです。
<おすすめ動画>
<関連記事>
猫の毛球症について 原因と対策法猫ちゃんに多い毛球症の原因、診断、治療、予防について詳しく解説いたします
<関連記事>
猫の痒みが治まらない?以外な原因やアレルギーが隠れているかも!!猫は犬や人に比べて、皮膚炎が起きることが少ない動物です。 しかし皮膚炎が一度起きてしまうと、治りにくいという傾向があるのです。 犬の皮膚炎はシャンプーや外用薬、飲み薬などである程度の良化が見られるのに対して、猫の皮膚炎は原因が判然としないことも多くなかなか良化しません。 そんな猫の皮膚炎には、実はアレルギーや精神的な問題、そして痛みが隠れていることがあります。 猫の痒みの意外な原因や、アレルギー検査や低アレルゲン食について正しい知識を持っておくようにしましょう。
<関連記事>