猫も耳掃除が必要?耳掃除のコツと注意点についてご紹介
猫の耳の役割とは?
猫は顔に対して耳が大きな動物です。理由は獲物を捕まえたり危険を察知するのに聴覚を研ぎ澄ます必要があったため。犬と同様に周囲からの情報収集の大半を聴覚に頼っており、さまざまな情報を耳から得ています。
猫の五感(嗅覚・聴覚・視覚・味覚・触覚)のなかで一番発達しているのが、実は聴覚です。人間が聞き取れる音の大きさは最大20キロヘルツ(モスキート音が約14キロヘルツ)ほどですが、それに比べて猫が聞き取れる音はおよそ60キロヘルツですので、かなり聴覚が優れていることがわかりますね。
猫の耳は大切な感覚器でとてもデリケートな部位。耳掃除でお手入れする際は、傷をつけないよう細心の注意を払って行う必要があります。
猫の耳掃除はそもそも必要なの?
猫の耳は自浄作用がを持っているため、通常であれば耳掃除はあまり必要ありません。特に立ち耳の猫種は、耳の通気性が十分保たれるためムレにくく、汚れもたまりにくい傾向があります。ですが、汚れが気になるときはやさしく拭き取ってあげることが必要となります。
スコティッシュフォールドに代表される折れ耳の猫は、耳が覆いかぶさっていて通気性が悪いためムレやすく汚れがたまりがち。そのため、定期的にチェックをして汚れていたら耳掃除をしてあげましょう。
○お手入れの頻度
耳垢がたまるスピードはその猫によって差があります。ブラッシングをしてあげるついでに耳のチェックもしてあげると、耳掃除のタイミングがつかめますよ。耳の穴の入り口が汚れていたらお掃除の合図です。
○やたらと汚れがたまるときは耳の病気の疑いも!
猫の耳垢がたまっていたり、耳からニオイがしたりするときは、外耳炎や耳ダニが疑われます。外耳炎の症状はたくさんの耳垢やニオイのする分泌物が出てくるというもの。耳ダニも症状は外耳炎と同じようなものです。
耳の汚れを放ったままにしておくと、耳の病気にかかる危険があります。こまめに耳の様子をチェックして、イヤなニオイがしたり汚れがたくさんたまったりするようであれば、耳掃除をして清潔にしてあげてください。耳掃除をしても改善が見られない、痒がって耳を後ろ脚などで掻く動作が見られたら動物病院を受診しましょう。
耳掃除のしかた
猫の耳掃除をする際には、まず以下のものを準備しましょう。
・汚れを拭き取るためのコットンやガーゼ
・猫の耳掃除用ローション(または精製水)
○基本のやり方
猫の耳掃除の基本の方法は「水やローションで濡らしたコットンやガーゼで耳の内側を拭き取る」というものです。耳の穴の奥に耳かき棒を…という人間と同じ掃除方法は猫には必要ありません。外側から見える範囲(耳介やその周辺)だけを掃除をしてあげれば十分事足ります。
耳掃除を始める前に、まずは猫が落ち着くような姿勢を取らせ、体や頭をやさしくなでてリラックスさせましょう。
そのあと濡らしたコットンやガーゼで、耳の見えるところをやさしく拭き取ります。汚れを無理に取ろうとしなくてもOK。あくまでもやさしく丁寧に行ってください。
○嫌がるときの対処法
嫌がるのを防ぐにはまず猫をリラックスさせてあげることが大切です。そしてお掃除の時間は短く素早くを心がけてみましょう。長時間ダラダラとやられると、その後も耳掃除を嫌がるのが当たり前になってしまうことも。
耳の奥はタッチせず、あくまでも見える範囲だけをやさしく素早く拭き取るだけで大丈夫です。また、どうしても嫌がってしまうという場合は、潔くお掃除をストップすることも大事です。「次のタイミングでキレイにできればいいや」という心持ちでいれば、飼い主さんも猫も精神的に楽に取り組むことができます。
○耳掃除用ローションの役割と選び方
耳掃除用のローションは、固まって取れづらくなった汚れを浮かせて取りやすくする効果があります。耳の穴に直接垂らしてやさしく揉み込んであげると、汚れが浮き上がってきます。その汚れをサッと拭き取ってあげればOKです。
耳の穴に直接垂らすのを嫌がる猫もいます。その場合はローションで濡らしたコットンやガーゼで見える範囲を拭いてあげるだけでもだいぶキレイになりますので、ぜひ実践してみてください。
ローションは市販のものでも大丈夫ですが、猫によっては成分にアレルギー反応を示すこともあります。また、使用する前から猫の耳に傷があったりした場合には思わぬトラブルに発展してしまう危険も。心配であれば耳掃除について獣医師に相談してみると良いでしょう。
猫の耳掃除で注意すること
○綿棒を使うのはNG
人間の耳掃除にはよく使われる綿棒ですが、猫の耳掃除には使わないようにしましょう。必要以上に耳の皮膚に負担がかかり、汚れをかえって奥に押し込んでしまったり、耳に傷をつけてしまったりという恐れがあります。そもそも猫の耳掃除では穴の奥の方までキレイにする必要はないので、綿棒を穴に突っ込むようなことは避けましょう。
○とにかく「やさしく素早く」がコツ
デリケートな耳の掃除は力を入れずやさしく行うことが大切です。また、嫌がるのに無理して掃除をしても良い結果は得られません。猫も飼い主さんもリラックスした状態で耳掃除に取り組んでみましょう。嫌がって逃げてしまっても次の機会がありますので、気楽に気長にを心がけてみてください。
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