コロナ用の消毒剤で犬猫が死亡!?アルコールの危険性と注意点とは
しかし、このアルコールという成分は犬猫にとっては非常に危険なもので、これが原因で亡くなるケースが増えています。
とはいえ、飼い主様がきちんと予防して対策して行かないと、どうしようもありませんよね。そこで、この記事では、ペットを飼っている方はアルコールを使用する際、どのように注意すればいいかなどをお話します。
新型コロナウイルスを予防するためにアルコールを使用しただけなのに
近年、飼っているペットが突然亡くなったという事例の中に、アルコール中毒というのが増えてきています。これは、飼育している犬が誤って人間が飲むお酒を舐めてしまったという場合ももちろん含まれます。
しかし、情報化社会になり、犬や猫が口にすると危険な食材や薬剤の内容については、専門家でなくとも、一般の方も知り得る状況になりました。ですので、犬や猫にアルコール飲料を舐めさせてはいけないと知っている方も増えてきたので、この事故(誤飲)についてはずいぶん減ってきたように思います。
ではなぜ再びアルコール中毒で亡くなる犬や猫が増えたのでしょうか?
それが、新型コロナウイルスを予防するために、アルコールを使用したことによる事故死なんです。
皆さんの中には、玄関先にアルコール消毒剤を置いておいて、外出先から帰ったらすぐに手指の消毒をするという方も多いと思います。また、先に手洗いやうがいをしてから仕上げにアルコールで消毒する方もおられるでしょう。
そこで思い返してほしいのですが、飼い主さんが帰宅すると、愛犬や愛猫が飼い主さんの手を喜んで舐めるという状況はありませんか?それってよくある話ですよね。
このとき、まだ乾ききらないアルコール消毒剤を舐めてしまい、犬猫が死亡するというケースが今とっても増えてきているのです。
飼い主さんにしても、いきなりペットが亡くなった原因がまさか、自分の手を舐めたことによるものだとは思いもよらず、驚かれることでしょう。
犬には何故アルコールが危険なのか
酒飲料や消毒剤などに含まれる「アルコール」と呼ばれる成分の中には、「エタノール」という成分が含まれています。人間はこのエタノールを分解する消化酵素を持っています。
ただし、この酵素の量は人によって違いますので、消化酵素が多い方はお酒に強く、少ない方はお酒に弱いとされています。
ところが、犬にはエタノールを分解する能力がなく、体内に入ると中毒を起こしてしまい最悪死に至ります。分解できないということは体内に蓄積されてしまいますので、それが毒となってしまうわけです。
消毒用アルコールを使用する上での注意点とは
今のところ、新型コロナウイルスの予防についてはアルコール消毒が有効だとされています。ですので、今後コロナ予防のために消毒用アルコールを使用しつつ、犬が危険な目に遭わないようにするには、どのような工夫や注意ができるのでしょうか?
まず、考えられる工夫としては
*アルコールで消毒した後は、絶対に手を舐めさせない
*エタノール成分不使用の消毒剤を使用する
などが挙げられます。
また、注意したい点ですが、エタノール成分を含んだアルコール消毒「液」だけではなく、ウェットティッシュタイプのものも、成分は同じですので気を付けましょう。
何を使えば良いの?アルコール成分を含まない消毒剤ってあるの?
上記で少し取り上げましたが、一番安全なのはアルコール・エタノール成分を含まない、消毒剤を使用することです。エタノール成分を含まない消毒剤といえば、代表的なものは次亜塩素酸ナトリウム水溶液ですよね。エタノール消毒剤が不足したときに、これが活躍してくれました。
アルコールに対するアレルギーをお持ちの方もおられますので、エタノール成分を含まない消毒剤をもともと使っていたという方もおられるでしょう。ただし、幼児やペットなどに一般的に使用するノンアルコールの除菌シートなどは、コロナウイルスへの効果は認められていませんので、これでの予防は意味がありません。
なお、厚生労働省では手洗いの後にさらに消毒剤を使用する必要はないと報告しています。外出先ではアルコール消毒は効果的ですが、自宅での予防という意味では石鹸で手洗いをしっかり行うことで、アルコールの消毒をせずにペットと触れ合うのが一番良い方法です。
上手に予防して新型コロナウイルスを乗り越えよう!
2020年、この1年は新型コロナウイルスに世界中が振り回されましたよね。しかし残念ながらいまだ解決のめどは立たず、今後もどのような状態になっていくのかまったくわかりません。
皆さんも、何回も聞いていることだとは思いますが、予防してウイルスに感染しないほか方法がないのが現状です。ですので、今後も引き続き、安全に予防をしながら犬と共存して行く方法を模索していきましょう。
また、ウイルスは変化することがわかっています。今のところペットへの感染は深刻な問題にはなっていませんが、いつ豹変するかわかりません。その時も慌てないで済むように、基本的な予防・対策はしっかりと行っていきましょう。
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