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猫に多い扁平表皮がんってどんな病気?

アニマルリハビリテーター
宮腰里知子
[記事公開日]  [最終更新日]
猫の扁平表皮がんの症状や原因、治療法と治療費、実際に扁平表皮がんの猫を飼って思ったことをまとめました。
[ 目次 ]
猫に多い扁平表皮がんってどんな病気?
猫にとても多い皮膚がん。骨までとけていく恐ろしいがんです。原因は日光?
万が一愛猫が皮膚がんになったらどのような治療がとられるのでしょうか?
今回は、原因や症状、治療法についてご紹介します。

扁平表皮がんの症状は?

発生する場所によって症状は少し違います。
口の中は、舌と歯肉によくできます。数週間という短期間で潰瘍やただれを引き起こします。10歳以降のシニアにできやすいと言われています。

目の上、耳、顔の周辺にできた場合はほんの小さなかさぶたのようなものが見られます。
進行は口の中に比べ数か月から年単位で大きくなっていきます。
肺に発生することもあります。症状は咳・呼吸困難・元気がなく・体重減少。

多発性の場合は、痛みを伴うかさぶたのようなものが体のあちこちにできます。皮膚の表面に潰瘍ができます。老齢の雌猫に多いようです。

初期症状は?

初期症状は、小さなかさぶたや擦り傷のようなものができはじめます。
顔周辺や口の中、耳などにできることが多い悪性の腫瘍になります。
痒いのか、掻いては出血し膿になりまたかさぶたになる。その繰り返しでどんどん大きくなっていきます。

口の中にできる場合は、ご飯を食べることで歯茎を刺激し傷つけます。その結果出血をしたり、痛みにより食欲がなくなり早期に死んでしまう子もいます。
見た目は、赤く盛り上がっている。潰瘍になっている。時には破裂し自壊し出血を伴います。

原因はなんなのでしょうか。

原因は詳しくわかっていませんが、紫外線に当たることが多いと発生すると考えられます。
近年は、タバコの煙で癌を誘発するという報告も上がっているそうです。

どのような治療があるのか。治療費はいくらかかるのでしょうか。

治療法はいくつかあります。
一つ目は外科的切除手術です。患部とその周辺を可能な限り切除します。
二つ目は食事療法です。痛み等から食欲が減退し思うように食べれなくなります。

特に口の中にできると食べることが難しくなります。脱水も起こりやすくなるので水分の投与や点滴も必要になります。免疫機能が低下するためサプリメントなど摂取するのもよいでしょう。少しでも食べれる場合は、やわらかいもの、温かいものをあげると食べてくれるかもしれません。

三つ目は、抗がん剤の治療です。副作用は弱いと言われていますが、体への負担はあるでしょう。
四つ目は、放射線治療です。全身麻酔が必要になるのでこちらも体への負担は否めません。
いづれも、要相談の上で決断したほうが良いでしょう。

外科手術は病院によって異なりますが、入院費・検査費用など込みで10万~になります。
抗がん剤治療、放射線治療は1か月に2万~10万位です。

予防法はあるのでしょうか

今のところはっきりとした予防法はないようです。
ただ、出来ることは完全室内外で日光に当たる時間を減らすことで、扁平上皮がんになる確率を低くすることはできるかもしれません。

余命宣告を言われたら?

痛みを抑える薬を使用したり、免疫低下を防ぐためのサプリなどの服用します。
主に緩和ケアになっていきます。

経験して思う事

現在、うちには扁平上皮がんを患っている20歳の雑種の猫がいます。
初期症状は、やはり頭にできた小さなかさぶたでした。よく高齢になると脂肪腫ができると聞いたことがあったのであまり気にしていませんでした。

しかし、それがいつからか日に日に大きくなりはじめ、痒いのか掻いては出血し、膿が出て悪臭が出てきました。その時に初めて病院に行きました。診断は、やはり扁平上皮癌でした。高齢のため切除手術ができないので、細菌が増えないように消毒と軟膏を塗るくらいしかできませんでした。

目の上にできた腫瘍は1か月もしない期間で、眼球が腫瘍で見えなくなるくらい大きく成長してしまいました。それでも、食欲はあり自らトイレにも行っていました。
見た目は本当にエイリアンのように可愛そうで見ている自分が辛かったです。

安楽死も考えましたが、一生懸命生きている姿を見ると安楽死という選択肢はなくなり、最後まで共に生きようと決心しました。現在は、ごはんの量もかなり減りました。足元もフラフラしています。顔の半分が腫瘍で覆われていますが、のどをゴロゴロと鳴らすこともできますし、トイレにも一人で行っています。

あとどれくらい一緒に過ごせるかわかりませんが、精一杯のことはしてあげたいと思います。がんになって1年が過ぎますが、頑張って生きている姿に励まされているようです。

まとめ

猫の皮膚がん、「扁平表皮がん」について紹介しました。
早期発見すれば治療の幅は広がります。飼い主さんがちょっとした変化に気づくことができれば、長生きすることも可能になります。早期発見で治療の選択肢も増えます。

毎日、少しの変化に気づくことがあればそれはきっと長生きの決め手になると思います。気になる症状がある時は、かかりつけの病院の先生に相談すると良いですね。

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