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愛犬の眼を守ろう! いつまでも見つめあえるように失明を防ごう!

愛玩動物救命士
若林 亜希子
[記事公開日]  [最終更新日]
犬は動物の中でも、とくにアイコンタクトが得意な生き物です。
日本語は話せなくても「眼を見ればなにを言っているかわかる」と言う飼い主さんも多いはず。

犬の眼が見えないときは、どんな病気が考えられるのでしょうか?
眼を診てもらうときには、どんな検査があるのでしょうか?

眼の病気や症状が出ている犬のために気をつけてあげることや、目薬のさしかたなどもご紹介します。
[ 目次 ]
愛犬の眼を守ろう! いつまでも見つめあえるように失明を防ごう!
犬は「目が痛い」とは教えてくれませんが、目ヤニが増えたり、目を細めていたり、何度もパチパチするようになったり、涙の量がとても増えたりしていたら病気のサインかもしれません。

また、眼の状態だけでなく、目を床やソファーなどにこすりつけようとしたり、前足で眼をこするような行動も見られます。

眼の病気はとても多く、一般外来で来院した犬の3割以上に眼の疾患が見つかるといわれています。

眼の病気を早期に発見し、予防や治療を行うことで、眼が見えている時間を長くしてあげることができたり、失明を防いだりすることができるかもしれません。

ここでは、考えられる眼の病気や、眼を調べるときの検査のこと、眼が見えなくなったときや眼の病気のときに飼い主ができることなどをご紹介します。

■視力が落ちる原因

眼球に異常がある場合、神経に異常がある場合、脳に異常がある場合、事故やケガなどの外傷により眼が見えなくなることがあります。

高齢犬になると老化現象はもちろん、更に糖尿病やウィルス感染なども原因になります。

愛犬の眼を守ろう! いつまでも見つめあえるように失明を防ごう!

■犬の眼の病気

・角膜炎(かくまくえん)
・角膜潰瘍(かくまくかいよう)
・白内障(はくないしょう)
・緑内障(りょくないしょう)
・眼瞼炎(がんけんえん)
・結膜炎(けつまくえん)
・乾性角結膜炎(かんせいかくけつまくえん・ドライアイ)
・マイボーム腺炎(ものもらい)
・ブドウ膜炎(ぶどうまくえん)
・角膜ジストロフィー
・結膜下出血(けつまくかしゅっけつ)
・網膜剥離(もうまくはくり)
・瞬膜露出症(しゅんまくろしゅつしょう・チェリーアイ)
・逆さまつげ
・流涙症(りゅうるいしょう)
・水晶体脱臼(すいしょうたいだっきゅう)
などがあります。

愛犬の眼を守ろう! いつまでも見つめあえるように失明を防ごう!

■犬の眼の検査はどんな検査があるの?

●眼の一般的な検査
眼の表面に傷や異物がはいっていないか、涙の量や眼圧などを診ます。

●神経学的検査
眼が見えているか、光に対して正しい反応をするかを調べます。

●眼底検査
網膜や視神経の病気などを検査します。

●フルオルセイン染色検査
角膜の傷やドライアイを検査します。

●細隙灯顕微鏡検査
まぶた、角膜、結膜、水晶体などを、更に細かく見える顕微鏡で検査します。

●散瞳検査
超音波を使って眼の異常がないかを調べます。

●隅角鏡検査
隅角(眼の中からでる水の出口)を診ます。緑内障などのリスクを検査します。

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■目薬のつけかた

眼の病気はいろいろありますが、予防でも病気の治療でもほとんどが目薬を使うことになります。

犬自体は「治療だから仕方ないんだ」とは思っていませんし、目薬は嫌がる犬が多いです。犬の負担を少しでも減らしてあげるために、つけ方を覚えておきましょう。

目薬の容器が見えるとそれだけで逃げる犬もいます。犬の視界に入らないように容器を手で隠しておくことをお勧めします。

正面から付けようとすると「なに、なにされるの…」と怖がってしまうので、後ろ側に回りましょう。
撫でてあげながら少し上を向かせ、首から下あごをしっかり押さえておきます。そしてそのまま後ろから目薬をつけるのがポイントです。

人間が不安がっていると、犬もその気持ちを感じ取ってしまいますので、できるだけサッとつけてあげられるようにしましょう。

目薬をつけたあとは、余分な目薬が眼から溢れてきますので清潔な布やティッシュなどで拭きとってください。

拭かないないままにしておくと、眼の周りがかぶれたり脱毛したり、かゆみの原因につながります。

ケガなどの一時的なものもありますが、眼の病気の場合は一度診断されると一生目薬をつける生活になることが多いです。
なるべく嫌な思いをさせないように工夫をしましょう。

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■失明しちゃうの?回復するの?見えなくなったときは?

先天性や遺伝性の病気の場合は予防は難しいですし、両目とも失明してしまうと回復できる病気は多くはありません。

しかし、早く治療を開始すれば治まる病気や、進行を遅らせてあげることができます。視力を回復させることができる病気もありますので、日頃から愛犬の行動や眼をしっかりチェックしてあげてください。

もし回復しない病気で、眼が見えなくなってしまう日がきても、犬は嗅覚や聴覚がとても優れています。

私の犬もそうでしたが、15年という長い月日のお陰で、家の玄関、廊下、おトイレや寝床などを完璧に覚えていました。
ときどき「ゴツン」と音がして壁にぶつかるときもありましたが、名前を呼ぶと家のどこにいても、必ず私のところまで歩いてきてくれました。

「見えていないから」「心配だから」と、犬の行動に制限をかけすぎてもストレスを感じてしまうので、フォローをしながら、好きなように歩かせてあげることも大切だと思います。

眼以外が元気な場合、部屋の中では勢いよく歩くので、壁にぶつかったり階段から落ちたりすることも考えられます。

散歩中は草木に突っ込んでしまって出られなくなったり、電信柱などの障害物にぶつかったりすることもありますので、外に出るときは犬の目線を考えたり、眼を離さないようしてください。

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■眼が悪くなった犬のために

愛犬の眼が悪くなってしまったときは、過ごしやすいように環境を整えましょう。

●眼のケガを防ぐために

・床を滑りにくくする
・犬がよく通る場所はモノを置かないようにする
・部屋の角や家具などの角に、クッション材などを貼る
・家具やモノの配置はなるべく変えない
・段差は低くしたり、緩やかになるようにする

●元気になるためのサポート

・視覚が弱くなるぶん、嗅覚を刺激するような食事を考える
・目や体全体の健康維持のために、サプリメントなどを上手に使い栄養素を摂取させる
・たくさん声をかけてあげる
・たくさん触れてあげる
(見えていないぶん、いきなり触ると驚いてしまうことがあります。名前を呼んであげてから触ることをお勧めします)

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■まとめ

眼の不調には、眼球そのものだけでなく、なんらかの病気が隠れているケースがあります。愛犬の変化に気づき、早めに病院を受診することが大切です。

日頃からコミュニケーションを取って、眼の周りを常に清潔に保つことも予防につながります。

眼が痛かったり見えづらくなったとき、人間ならすぐに眼科に行くと思いますが、犬の場合は眼の専門の病院も少ないのが現実です。検査も簡素な検査しかしてくれないことがあります。

しかし、日頃から眼を含む全身を検査をしておくことで、早期に治療を始めることができたり眼の治療が得意な病院を紹介してくれます。

「眼の状態がいつもと違うな」と思ったら、早めに受診して下さい。
見つめあうだけで幸せな気持ちにしてくれる犬の眼を守ってあげましょう。


★飼い主の皆さんと大切なワンちゃんが、1日でも1分でも、長く一緒に過ごせますように★

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