他人事と思わないで!多頭飼育崩壊の原因と予防を解説
どうしてなっちゃうの?多頭飼育の原因と過程を解説
適正飼育のために!犬と猫の出産と生まれる頭数ついて解説
悲しい結末を防ぐために…多頭飼育崩壊の予防法
ペットの幸せは飼い主さん次第!責任の取れる決断を
ニュースで取り上げられるご近所トラブルの1つとして聞いたことがある方もいるのでないでしょうか。
多頭飼育崩壊の多くは、残念ながら飼い主さんの知識不足により起こってしまうことがほとんどです。
ここからは多頭飼育崩壊をしないために大切な知識を5つのパートに分けて解説します。
多頭飼育崩壊って何?多頭飼育と何が違うの?
多頭飼育崩壊とは文字通り、飼育の頭数が多すぎて飼いきれなくなってしまった状態です。
具体的には、満足にご飯が食べられていなかったり、病気のまま放置されていたり、排泄物の掃除が間に合わず不衛生・劣悪な状態が常に続いている環境のことを指します。
逆に多頭飼育であっても、一頭一頭きちんとご飯が食べれていて、健康状態もよく、生活環境がきれいに維持・管理されていれば「崩壊」にはなりません。
飼い主さんのお世話がきちんとすべてのペットに行き届いているか否かが多頭飼育か崩壊かの鍵になるのです。
どうしてなっちゃうの?多頭飼育の原因と過程を解説
飼い主さんの中に「多頭飼育崩壊を引き起こしてペット達を苦しめてやろう」と考える人はまずいません。
ほとんどの人が「気が付いたら手遅れの状態だった。自分ではもうどうしようもできない」と後悔される方がほとんどです。
ではなぜ飼育崩壊が起きてしまうのか?
原因と崩壊の過程を解説します。
多頭飼育崩壊の原因は大きく分けて3つあります。
・ブリーダーや愛護団体の運営トラブルや飼育放棄
・手当たり次第に保護してしまう(飼い主さんの精神疾患パターン)
・不妊手術をさせずに自宅で繁殖を繰り返してしまう(飼い主さんの認識不足パターン)
一つづつ解説します。
・ブリーダーや愛護団体の運営トラブルや飼育放棄
利益を優先するがゆえに自分の管理能力を超えた繫殖をさせてしまったり、組織内のトラブルで団体が壊れてしまい動物たちが取り残されてしまうことが原因です。
・手当たり次第に保護してしまう(飼い主さんの精神疾患パターン)
「困っている動物を助けたい」という愛護精神が強すぎて自分の上限以上に動物を保護してしまうことが原因です。
また、「あの人は動物を保護してあげる優しい人」と認めてもらいたいがために「受け入れる」に重きを置いた結果、適正な飼育ができなくなってしまう場合もあります。
・不妊手術をさせずに自宅で繁殖を繰り返してしまう(飼い主さんの認識不足パターン)
犬や猫の繁殖能力が飼い主さんの想像を超えてしまい、飼いきれる上限を超えてしまうことが原因です。
犬や猫は、一度の出産で生まれる頭数が多いです。そのため、正しい知識がないとすぐに飼育崩壊へとつながります。
次の章では犬や猫の出産と生まれる頭数ついて詳しく説明します。
適正飼育のために!犬と猫の出産と生まれる頭数ついて解説
まず犬の場合ですが、1匹の雌犬が出産した場合、1年後には17匹に増えている可能性があります。
なぜこんな計算になったのか理由を説明します。
犬は生後6~10か月頃に初回発情を迎え、出産が可能です。
その後、若い雌犬ならほぼ半年周期で発情期が訪れるので、年2回出産する計算になります。
犬の1回の出産頭数は、小型犬なら2~4匹、大型犬なら8匹前後が一般的です。
最初の出産でメス2匹、オス2匹で生まれた場合、半年後には最初に生んだメス2匹からまた4匹ずつ生まれてもおかしくはありません。
また最初の犬も2回目の出産が可能になるのでまた4匹産んだとしたら1+4+4+4+4=17の計算になります。
この計算は解りやすくするためにオスとメスを半々にしましたが、もし産んだのがメス3匹オス1匹だった場合は頭数はさらに増える事は確実です。
どちらにせよ10匹以上というのは一般家庭での飼育はかなり困難になります。
さらに猫は犬より増えやすい傾向にあり、1匹の雌猫が出産した場合、1年後には44匹に増えている可能性があります。
猫の場合も生後6~10か月頃に初回発情を迎え、出産が可能になります。
しかし猫の発情周期は不定期に起こり、状況によっては年4回の出産も可能です。
出産頭数も2~8匹とばらつきはありますが、少なくはありません。
もし、年3回出産をしてそのたびにメス2匹オス2匹を出産した場合、最初の猫が年3回の出産し、その後子猫、孫猫は年2回の出産が可能となるからです。
44匹の猫なんてとても普通の家庭では飼育しきれないため、飼育崩壊へと繋がってしまいます。
悲しい結末を防ぐために…多頭飼育崩壊の予防法
多頭飼育崩壊を引き起こさない一番の方法は「不妊手術」です。
「当たり前」と思われるかもしれませんが、多頭飼育崩壊を起こしてしまった飼い主さんの多くはペットの不妊手術の意味を理解していませんでした。
中には「手術代を出す余裕はない。でも外には出さないから大丈夫」と安易な気持ちで不妊手術をさせずにいたら発情が来て家出。
その後帰ってきたペットが家で出産をしてしまい、これはまずいと思っていたら今度は子猫たちに発情が来てしまい…と飼い主さんの予想をはるかに上回る速さで増えていってしまって、取り返しがつかなくなってしまった飼い主さんもいます。
また飼い主さんによっては「ペットの性の自由を奪ってしまうのはかわいそう」と考える方もいらっしゃいます。
人間の都合で動物の繁殖の自由を奪っているわけですから、このような考えも理解できます。
しかし、それで多頭飼育崩壊を招いてしまっては元も子もありません。
なぜなら多頭飼育崩壊になってしまっては飼い主さんもペットも幸せにはなれないからです。
増えすぎてしまったペットたち大半は、保護される前に不幸な最後を迎えてしまいます。
きちんとした動物愛護団体に保護されるのは本当にまれなケース。
名ばかりの愛護団体や保健所に保護された場合は、さらに劣悪な環境に身を置くか殺処分となってしまう命のほうがはるかに多いのです。
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