猫に水分を摂らせよう!元気と健康のために水を摂らせるコツ
猫の祖先は砂漠原産。少量の水で生存できる体の仕組みになっていることもあり、もともと水をあまり飲みません。しかし、猫を健康で長生きさせるためにも、水を飲ませることは重要です。猫に水を飲ませるメリットや、飲ませるコツを解説します。
水を飲ませるメリット
猫はもともと水が少なくても生きていけるように、猫は尿を高い濃度に濃縮できるようになっています。犬に比べると少々の脱水にも強く、水を飲む欲求も少なめです。それなのになぜ、水を飲ませることが大切なのでしょうか。
・猫のFLUTD対策のひとつ
水分摂取は、猫のFLUTD(下部尿路疾患)対策になります。飲水量が少ないことは、猫が尿路結石症や特発性膀胱炎にかかりやすい原因のひとつだと考えられています。
秋冬の寒い時期は、夏に比べて尿路結石症が多かったという研究結果があります。原因は、寒くなると活動量が減る傾向にあり、その結果、飲水量も減ったためではないかと予測されています。
・腎臓の負担を減らす
猫は、尿を作るろ過組織「ネフロン」が腎臓左右合わせて40万個と、80万個ある犬の半分程度しかありません。尿を濃縮する機能が備わっていることもあり、腎臓に負担がかかりやすい体質です。若いうちから水を飲むことで、腎臓の負担を減らすことができます。
・便秘になりにくい
水分は排便を促します。もともと猫は便秘になりがちです。意識して飲ませてあげましょう。
猫に水を飲ませるコツ
「あまりお水を飲まない」という猫には、まず水を飲む環境を見直すことが大切です。喉が渇く前に飲ませる工夫をしてみましょう。次のような対策をおこなってみてください。
・お水は常に新鮮に
いつも新鮮できれいなお水を入れておきましょう。食べカスが入り込んだり、ほこりが浮いたりします。器もいつもきれいに洗って、清潔を保っておきます。器の底はぬるぬるしやすいので、小まめに洗うことも大切です。最低でも1日2回は取り換えてあげましょう。
・猫の好みを探る
水入れの器にも、意外とこだわりや好みを持っています。器を変えただけで、急に飲むようになることもあるほどです。
材質は、セラミックや陶器、ガラス製がおすすめです。プラスチック容器は安価で、100円ショップなどでも購入できます。ただ軽すぎるためひっくり返す恐れがあります。また細かい傷やニオイが付きやすく、水も汚れやすくなるので猫はあまり好まないかもしれません。
猫は、ひげが容器に当たるのを大変嫌がります。器の形状にも注意して選んでください。口が広めのお皿が好まれます。
流れる水が好きな猫には、水が循環する水入れを置いてみましょう。興味を持って、飲むようになる可能性があります。蛇口の水を飲む猫にも人気があるようです。
・水入れをいろいろな場所に置く
猫の通り道や、普段過ごすお気に入りの場所などに水入れを置いておくのも効果的です。特に多頭飼いは、多めに置いておきましょう。いろいろな容器を置けば、器の好みも把握できます。
・置き場所には注意
いろいろなところに置くといっても、トイレの近くはやめましょう。トイレのニオイを嫌がります。大きな物音がする洗濯機の近くに置くのもおすすめできません。
フードの隣に、水を置くのも避けたほうがいいでしょう。フードの横の水は、あまり飲まない猫が多いようです。多くの飼い主さんは、フードの横に水を一緒に置いていると思います。フードから離しておいてみてください。
それでもあまり飲まないときは?
いろいろ工夫してもお水を飲まないときは、次の方法を試してみてください。
・肉や魚のスープを飲ませる
鶏の胸肉やささみ、タラなど肉や魚の茹で汁を飲ませるのもおすすめです。水に茹で汁を混ぜてもいいでしょう。茹で汁には、塩やしょうゆなどで味をつけないでください。
・ウエットフードを食べさせる
いろいろ対策を施してもお水をあまり飲んでくれない場合は、ウエットフードを与えるのもよい方法です。缶、パウチタイプなどいずれのウエットフードにも、水分が約75%含まれています。
猫がウエットフードを毎食食べているようなら、水そのものを飲まなくてもそれほど心配する必要はありません。実際、ウエットフードを食べている猫はあまり水を飲まないはずです。
災害が起きて水が不足しているときも、ウエットフードがあると水分補給ができます。日頃からストックしておくと安心です。
高齢猫の水分不足対策
高齢になると、喉の渇きを感じにくくなりがちです。そのため水を飲む量が減り、慢性的な脱水になっている可能性があります。また多くの高齢猫では、腎臓機能が低下していることもあるため水分が減りやすい傾向にあります。水分をちゃんと摂っているか、確認することが大切です。
お水を嫌がる場合は、肉や魚の味付けしていないゆで汁を与えてみましょう。少し温めると香りが立って飲むこともあります。ペースト状のウエットフードもおすすめです。総合栄養食と表示してあれば、栄養と水分が同時に摂れます。
足腰が弱って自力で水が飲めない、寝たきりになってしまった猫には、スポイトやシリンジ(針のついていない注射器)を使って、飼い主さんが飲ませてあげましょう。一気に水を押し出すとむせてしまうので、猫の様子を見ながら少しずつ飲ませます。
<おすすめ動画>
<関連記事>
猫のストレスのサインとその対処法について、ストレスのない生活環境を整えよう!ペットとしての猫は人気が衰えることなく、2017年にはついに飼育頭数で犬を上回りました。そんな猫を飼育する際に、留守が多かったり小さい子供がいたりして、猫のストレスについて気になる方も多いのではないでしょうか?今回はそんな猫のストレスについてお話していきます。
<関連記事>
知っておきたい猫のワクチンの話愛猫を事前に病気から守るためには、ワクチンによる定期的な予防接種が欠かせません。しかし、どの猫にも必ず全てのワクチンを接種する必要がある訳ではありませんし、予防接種に際してのさまざまな注意点もあります。今回は、猫のワクチンについてご説明します。
<関連記事>