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知っておくと役に立つ!犬の血液型の判定の仕方や輸血の方法

愛犬飼育スペシャリスト
有川莉保
[記事公開日]  [最終更新日]
犬の血液型はどのように分類されているのかや、血液型を知っておくことで輸血を行わなくてはいけなくなってしまった時にスムーズに処置を行うことができることなどを解説した記事。
[ 目次 ]
知っておくと役に立つ!犬の血液型の判定の仕方や輸血の方法
みなさん、愛犬の血液型知っていますか?
なかなか愛犬の血液型を知っている人はいないかもしれません。
犬の血液型を知っておくことは輸血をする際に役に立ちますし、ドナーとして血を分けてあげることになった時にもスムーズに供血を行うことができます。
また、輸血の際に起こる副作用がどのようにして起こってしまうのかなどについてもわかりやすく紹介していますので参考にしていただけたらと思います。

犬の血液型の分類の仕方

犬の血液型はDEA(Dog Erythrocyte Antigen)式という方法で分類が行われています。
「何が分類の基準になっているの?」と思いますよね。
Dog Erythrocyte Antigenは日本語で言うと犬赤血球抗原という意味があり、その名前の通り分類の基準は赤血球の表面にある抗原というものの種類によって分類されているんです。
この分類方法は国際的にも使用されているので海外で輸血が必要になっても日本で調べた情報で伝わるということです。

犬の血液型の表現の仕方はDEA1.1などと表現します。
英語の後に数字が来るのでかなり細かく分類されているように感じますよね。
実際、犬の血液型は13種類以上もあると言われており、人間よりもはるかにたくさんの血液型があります。

さらに、たくさんの血液型があることにも驚きますが、わんちゃん1頭で複数の血液型を持っていると言われているんです。
人間の血液型とはかなり違いがありますよね。

知っておくと役に立つ!犬の血液型の判定の仕方や輸血の方法

輸血のポイントは抗原抗体反応

事故や病気によってわんちゃんも輸血が必要になることがあります。
また、ドナーとして血液を上げなくてはいけなくなる可能性もゼロではありません。
そんな輸血で気をつけたいのは血液型ですよね。
正しい血液型の血液を輸血しないと抗原抗体反応というものが起こり、重度の副作用が現れる可能性があります。

抗原抗体反応とは生き物の体の中に異物(抗原)が入ってしまった時に免疫グロブリン(抗体)がくっつくことを言います。
抗体が抗原にくっつくと抗原は身動きが取れなくなってしまうので活性を失ったり、凝集してしまいます。
この抗原抗体反応が輸血の際にも起こる可能性があるのです。

初めて輸血を行う際にはさほど血液型を気にしなくても良いと言われています。
その理由は輸血される血液の表面にある抗原に対する抗体をわんちゃんが持っていないからです。
抗体がないので抗原抗体反応は起こりませんよね。

しかし、2回目の輸血からは注意が必要です。
1回目で輸血された血液の抗原に対する抗体が体の中で作られているんです。
そのため、2回目同じ血液を輸血した場合、体の中で作られた抗体が血液表面にある抗原にくっついて凝集してしまいます。つまり抗原抗体反応が起こってしまうのです。
この反応が起こることによって様々な副作用が現れると言われています。

特にDEA1.1の副作用には気をつけたほうが良いと言われています。
DEA1.1の副作用として急性溶血反応というものがあります。
これは輸血された方のわんちゃんの赤血球が破壊されてしまう反応です。
DIC(播種性血管内凝固症候群)や腎不全といった命に関わる病気の原因にもあることがあります。
また、DEA1.1は陽性と陰性があります。陰性のわんちゃんに陽性の血液を輸血すると急性溶血反応が起こると言われています。
ちなみに陽性のわんちゃんに陰性のわんちゃんの血液を輸血しても急性溶血反応は起こりません。

このように重度な副作用を引き起こさないためにも輸血の際には血液型をきちんと調べて行う必要があるのです。

知っておくと役に立つ!犬の血液型の判定の仕方や輸血の方法

血液型の判定方法

輸血の際に血液型を知っておかなければ大変なことになることはよくわかっていただけたと思います。
では、血液型の判定はどのように行うのでしょうか?

先ほどお話しした通り、DEA1.1は重度の副作用を起こす危険性があります。
そのため、血液型の判定はDEA1.1について行うことが多いです。

DEA1.1の抗原があるかないかを判定する方法として犬血液型判定キットというものがあります。
また、輸血の前には血液をあげる側のドナーと血液をもらう側のレシピエントの血液を混ぜて溶血や凝集が起こっていないかを目で見て確認するクロスマッチテストという方法を行うこともあります。
凝集や溶血が確認できた場合には溶血を行うことはできません。

血液型の判定は動物病院で行ってくれるところがありますので、愛犬の血液型を調べたい人は血液型の判定を行ってくれる動物病院に行ってみることをお勧めします。

知っておくと役に立つ!犬の血液型の判定の仕方や輸血の方法

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は犬の血液型の分類の仕方や判定方法、輸血の際の注意点などについて紹介していきました。
意外とわんちゃんの血液型について知っている人は少ないと思います。
しかし、知っておくことで万が一輸血が必要になった時にスムーズに治療を行うことができます。
また、輸血が必要なわんちゃんへのドナーとしても活躍できるかもしれません。
これを機に犬の血液型について興味を持っていただけたら嬉しいです。

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