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犬の一生を支える「骨格」とは? 骨や関節の事を知って健康管理を!

ペットトレーナー(ドッグトレーナー)
若林 亜希子
[記事公開日]  [最終更新日]
愛犬の骨格を意識したことがありますか?

犬の表情や動きなどを、普段から気にかけている飼い主さんがとても多くなりました。
しかし、愛犬を隅々まで触ることができる飼い主さんも、骨を直接見ることはできません。

犬はどのような骨格をしているのでしょうか?
犬の一生を支える、土台となる「骨格のこと」や「骨格ができるまで」などをご紹介します。

犬の骨や歯、関節の特徴などを知って健康管理に繋げていきましょう。
[ 目次 ]
犬の一生を支える「骨格」とは? 骨や関節の事を知って健康管理を!
私たち人間も犬も、身体の隅々まである骨に支えられていることは理解していますが、身近な愛犬の骨について考えたことはありますか?

ケガをしたり病気になったりすると、骨に対しても気を配るようになるかもしれませんが、普段見ることの無い骨については、気にならないことがほとんどではないでしょうか。

人間も犬も「骨格は身体の土台」「骨や関節の健康維持は長生きの秘訣」などと言われています。

身体能力が高い犬たちは、どのような骨格をしているのでしょうか?私たちとはどこが違うのでしょうか?

犬の一生を支える、土台となる骨格。

そもそも骨格とはなんでしょうか? 関節はどんな働きをするのでしょうか?
歯や骨について、骨格が作られるまでの期間や人間の骨格との違いなどをご紹介します。

■そもそも「骨格」って?「関節」って?

《 骨格とは 》

「骨格」とは関節で結合した複数の骨や軟骨組織によって形成される構造のことを言います。

建築現場などで足場を作る骨組みを想像するとわかりやすいかと思います。身体を形作る土台や骨組みのことを意味します。

骨格には2つの役割があり、1つは本来は柔らかい体の組織を、骨格が支柱となって支えることです。もう1つは、頭の骨は脳髄を、胸郭では肺や心臓を、骨盤では骨盤内臓を、というようにそれぞれを保護しています。


《 関節とは 》

「関節」とは、骨と骨を繋いでいる強い帯状の線維組織の束のことを言います。
そのため、骨とセットで知っておきたいのが関節です。

骨と骨を繋ぐだけでなく、骨同士の接合面を保護したり、衝撃を吸収したり、関節部位がスムーズに動くような役割をしています。

それぞれの関節には可動範囲があり、動かせる角度や方向が決まっています。

犬の一生を支える「骨格」とは? 骨や関節の事を知って健康管理を!

■犬の歯の構造や数

犬の骨格と深い関わりを持つ歯。
犬の歯は全部で42本、21対あります。

上下左右に真ん中から

・切歯が3本ずつ
・犬歯が1本ずつ
・前臼歯は4本ずつ
・後臼歯(上あご)に2本ずつ
・後臼歯(下アゴ)に3本ずつ
あります。

犬は雑食性の肉食動物と言われていますが、基本的に肉食動物には裂肉歯と呼ばれるギザギザの歯があります。裂肉歯は犬の前臼歯の一番奥です。

この歯で肉を切り刻み、飲みこめる大きさにして食べます。
現在、飼われている犬たちは大きな肉を引き裂くような食事をしていないので、ほとんど噛まない状態で飲みこむような食べかたをします。

犬の一生を支える「骨格」とは? 骨や関節の事を知って健康管理を!

■犬の骨の数は人間より多い

私たち人間の骨は、成人で約206本あります。
犬の骨格はどれくらいの数の骨からできているのでしょうか?

犬種による違いはありますが、犬は約320本もの骨があります。
人間と比べると約1.5倍の骨の数があると言うことになりますね。

しかし、犬は人間よりも小さな身体で多くの骨を持っているため、1つ1つの骨が小さかったり細かったりしています。

そのため、人間と比べると骨折や脱臼をしやすい構造になっていると言えます。愛犬が怪我をしないように、普段から配慮してあげる必要があります。

犬の一生を支える「骨格」とは? 骨や関節の事を知って健康管理を!

■犬の骨格が作られる期間

私たち人間の骨格は、約15~18年ほどの期間をかけて緩やかに形成されていきます。
それに対して犬は、8ヶ月~24ヶ月で骨格が形成されます。

例えば、小型犬が15歳(180か月)まで生きるとすると、犬の一生の約1/22の間に骨格ができあがるという計算になります。

日本人の平均を84歳とすると、私たちは人生の約1/5の時間をかけて、骨格が作られていることになります。
犬たちは、かなりのスピードで骨格が形成されていることがわかりますよね。


《超小型犬・小型犬》
チワワ やトイ・プードルなどの超小型犬や小型犬は、生後8~10ヶ月で成犬の大きさに成長し、生まれたときの約20倍にまで体重が増えます。


《中型犬》
柴犬やボーダー・コリーなどの中型犬は、生後10~12ヶ月で成犬の大きさに成長し、生まれたときの約50倍にまで体重が増えます。


《大型犬》
ラブラドール・レトリーバーやジャーマン・シェパードなどの大型犬は、生後5ヶ月頃までに骨格作り、成犬時の半分の体重まで成長していきます。そのあとは生後15~18ヶ月をかけて、緩やかな成長スピードで臓器なども形成されていきます。

見た目もどんどん大きくなり、体重は産まれたときの約70倍にまで増えます。


《超大型犬》
グレート・デーンやマスティフなどの超大型犬も、生後6ヶ月頃までに骨格作り、成犬時の半分の体重まで成長していきます。
そのあとは緩やかに約18~24ヶ月で成犬の大きさに成長し、生まれたときの約100倍にまで体重が増えます。

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■犬の骨格と人間の骨格との違い

《犬は4本足、人間は2本足》

犬の骨格と人間の骨格との大きな違いは、犬は4本足、人間は2本足で立っている点です。基本的な姿勢が異なるため、重力がかかる部分や動かすことのできる部分が異なります。


《犬には鎖骨がない》

私たちの首の付け根にある鎖骨。
人間は肩関節を形成している肩甲骨(けんこうこつ)と、胸の胸骨が「鎖骨」という骨で繋がっています。そのおかげで、腕や肩をグルグルと回すことができます。

犬の四肢は身体を支えたり、前後に動かす役割しか持たないため、鎖骨が必要がありません。
そのため、犬の足は横には広がりにくい構造に成っていますが、その代わりに前後の可動範囲が広く、力強く走ることに適した作りになっています。


《犬は「かかと」を地面につけていない》

2本足で歩く私たちは普段かかとをつけて歩いていますが、犬はバレリーナのような、つま先立ちの状態で歩いています。

プニプニで可愛い肉球の場所は、足裏全体のように感じますが、私たちの「指の付け根」と「指の腹」の位置になります。

かかとを地面につけるほうが身体自体は安定するのですが、かかとをつけないほうが早く走ったり長く走ることができるため、犬はかかとを地面につけないと考えられています。

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■犬が丸のみする理由は骨格のせい?

「全然噛まない」「また丸のみしてる」なんて思ったことはありませんか?

ほとんどの犬が、飲みこんでいる状態でご飯やおやつを食べていますよね。
単純にお腹が空いていて勢いよく食べている場合もありますが、実は骨格が影響しています。

犬の歯は山のようにとがっている形のため、平らな部分がほとんど無く、すり潰す場所がありません。

また、犬は顎の関節を左右に動かすことができないため、口の中にある食べものを人間のようにすり潰すことができないのです。

特別なご飯を出してあげたときなどは「味わってゆっくり食べてね」と思うときもありますが、よく噛んで食べると言うことができない骨格だと言うことを理解してあげてくださいね。

喉を詰まらせてしまうような勢いで食事をするような犬には、小さくしたり食べやすいサイズにする工夫をするといいと思います。

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■骨格を知ると扱いかたも変わる

犬の骨格は、一緒に生活をしているだけではわかりませんよね。

しかし、犬の骨格の構造や特徴を知ることで、生活の中で気をつけるポイントがわかったり、一緒に楽しく過ごすための工夫をすることができます。
また、身体の不調などに早く気づくことができるかもしれません。

骨や関節のことを知ると、自然と犬への扱いかたが変わり、健康を守ることにも繋がります。愛犬が楽しく長生きできるように、土台となる骨格についても理解しておきましょう。

犬の骨格を意識すると「なるほど。だからこうするんだね~。」と、納得のいく行動に気がついたりします。表情だけでなく、可愛い犬たちの動きを観察することも面白いですよ。


★飼い主の皆さんと大切なワンちゃんが、1日でも1分でも、長く一緒に過ごせますように★

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