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高齢猫が注意すべき3つの疾患

獣医師
久保田 武
[記事公開日]  [最終更新日]
獣医療の発展にともない、昔に比べ猫ちゃんの平均寿命ものびてきました。
高齢になってくると当然いろんな病気がみつかってきます。
本記事では高齢の猫ちゃんが注意すべき3つの疾患を解説します。
[ 目次 ]
高齢猫が注意すべき3つの疾患
高齢の猫ちゃんが注意すべき3つの疾患について解説します。
それぞれの疾患の症状なども含めて説明していきます。
病気のサインを見落とさないようにしましょう。

慢性腎臓病

○慢性腎臓病とは?
長期にわたる腎臓の障害によって生じる
腎機能低下・機能不全のことをいいます。
高齢の猫ちゃんは必ずといっていいほど
この病気になります。



○慢性腎臓病の症状
おもな症状・身体検査の所見は
・水をたくさん飲む
・おしっこの回数が増えた
・食欲がない
・体重減少
・毛ヅヤがわるい

などの症状がみられます。

○慢性腎臓病の診断
診断には尿検査・血液検査・血圧測定・画像検査を実施します。

尿検査では
・比重の低下
・タンパク尿

が認められます。

血液検査では
・BUN(尿素窒素)の上昇
・Cre(クレアチニン)の上昇
・P(リン)の上昇
・貧血

などが認められます。

血圧測定では
・高血圧

が認められます。


画像検査(レントゲン検査やエコー検査)では以下の点を確認します。
・腎臓の大きさ
・腎臓の形態
・結石、嚢胞、腫瘍といった異常所見


○慢性腎臓病の治療
慢性腎臓病は治る病気ではありません。
治療の目的は腎臓病の進行を遅らせることです。
そのため早期発見・早期治療が大切になってきます。

おもな治療方法は
・食餌療法(タンパク質・リンの量を抑えたフード)
・点滴(脱水の補正)
・抗高血圧治療
・吸着剤(高P血症の治療)
・その他(制吐剤、食欲増進剤の投与など)

など、腎臓病の病態や症状に応じた治療をします。

甲状腺機能亢進症

○甲状腺機能亢進症とは?
甲状腺が活発化し、過剰にホルモンが分泌されおこる病気です。
猫でおおく、特に高齢猫で発症する場合が多いです。


○甲状腺機能亢進症の症状
おもな症状は
・体重の減少
・気性があらくなる
・食欲の増進
・嘔吐
・下痢
・多飲多尿
・脱毛

などがみられます。

○甲状腺機能亢進症の診断
診断には血液検査で甲状腺ホルモンの値を測定します。
甲状腺ホルモンの値の上昇で甲状腺機能亢進症と診断されます。


○甲状腺機能亢進症の治療
治療は
・食餌療法
・内服薬療法
・甲状腺の外科的切除

などが行われます。

肥大型心筋症

◎肥大型心筋症
○肥大型心筋症とは?
心臓の筋肉が分厚くなることにより
心臓の内腔が狭くなり拡張障害を起こす疾患です。
病状が悪化すると、血液を全身に送ることが
できなくなり、循環不全をおこします。
また、血栓ができやすくなり血栓塞栓症をおこすことがあります。

猫では純血種で本疾患になることが多く
・メインクーン
・アメリカンショートヘア
・ペルシャ
・ヒマラヤン

などで遺伝的に発生することがしられています。


○肥大型心筋症の症状
おもな症状は
・元気がない
・食欲の低下
・運動を嫌がる
・呼吸が速くなる

などがあります。

○肥大型心筋症の診断
超音波検査にて心臓の筋肉の厚さを確認します。
その他に胸水の有無、血栓の有無を確認します。


○肥大型心筋症の治療
肥大型心筋症の根本的な治療法はありません。
症状に応じて心臓の負担の軽減・血栓形成の予防・呼吸状態の改善を行います。

各疾患の病気のサインまとめ

◎各疾患の病気のサインまとめ
各疾患の病気のサインをまとめました。
高齢の猫ちゃんで以下の症状がみられたら
かかりつけの先生を受診しましょう。

○慢性腎臓病
・食欲不振
・体重減少
・多飲多尿
・毛艶の悪化
・嘔吐

○甲状腺機能亢進症
・体重減少
・気性があらくなる
・嘔吐・下痢
・多飲多尿
・脱毛

○肥大型心筋症
・呼吸が早い
・元気がない
・運動を嫌がる
・食用の低下

まとめ

高齢になってくると様々な病気がみつかることがあります。
病気のサインを見逃さないようにしましょう。
病気の早期発見、早期治療をすることが長寿の秘訣です。

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