猫の避妊手術の流れ、その後の注意点などを詳しく解説!
けれども小さな体に麻酔をかけるのは心配…
どんな流れで手術が行われるか不安…
そんな声も多いのではないでしょうか。
猫の避妊手術は一般的に動物病院で行われている手術であり、多くの場合安全で簡単に行われます。
今回はそんな猫の避妊手術について、大まかな流れとその後の注意点をまとめました。
まずは動物病院へ!
まずは動物病院に健診に行き、身体がしっかり育っているか、他の病気はないかなどしっかりと診てもらいましょう。一般的に避妊手術は生後8か月以降を目安に行われますが、体格にもよって個体差があります。
獣医師との相談を通じて、避妊手術の予約や詳細な説明を受けることが重要です。
また、猫が麻酔をかけても大丈夫かどうか健康状態を確認するために、血液検査や身体検査などが行われる場合があります。
手術当日
いよいよ手術の当日。一般的には手術当日の朝から猫には食べ物を与えないようにし、絶水の指示を受けることがほとんどでしょう。絶食と絶水は手術中のリスクを軽減するために行われます。
万が一食餌を与えてしまった場合には必ず獣医師に報告をしましょう。
胃の中に食餌が入ったまま麻酔をかけてしまうと、麻酔から覚める際に誤飲してしまい命にかかわることがあります。
手術の流れ
動物病院で行われる猫の避妊手術の、一般的な流れをお伝えします。
・麻酔
手術前に獣医師が猫に麻酔を投与します。
挿管と言って気管内に管を入れる麻酔が一般的であり、猫が安定した状態で手術を受けることができます。
麻酔の選択は獣医師の判断・猫の全身状態にによって変わってきます。
・手術の準備
獣医師と動物看護師によって、手術室に運ばれます。
手術を行う部位の毛刈りを行い、念入りに消毒を行います。
・手術
獣医師が手術を行います。病院によっては獣医師一人で行う場合もあれば、動物看護師や他の獣医師が助手に入ることもあります。
①皮膚切開
まずは腹部にメスを入れ、小さな切開を入れます。
②卵巣摘出
目視で卵巣を見つけ、摘出します。これにより、猫の排卵や妊娠が阻止されます。
③子宮摘出(場合による)
必要に応じて子宮も摘出します。子宮の摘出は子宮の疾患や合併症のリスクを低減するために行われることがあります。
④傷口の処置
無事に卵巣や子宮の摘出が終わった後は、獣医師は傷口を丁寧に処置します。一般的には、お腹の中の傷は吸収性の縫合糸を使用し、傷口を縫合します。縫合糸は体内で自然に吸収されるため、後で取り外す必要はありません。
一番外側の皮膚はナイロンなどの吸収されない素材の糸で縫うことがあり、その際は2週間前後で抜糸が必要となります。
⑤麻酔からの回復
手術後、猫は麻酔から徐々に回復します。麻酔の影響が抜けるまで、獣医師や動物看護師が猫の状態をモニタリングし、適切な温度と安静を保ちます。
手術直後の注意点
多くの場合猫の避妊手術は一泊入院の病院が多いようです。
退院してからすぐの注意点を以下に挙げておきますので参考にしてください。
・傷口のケア
猫の傷口のチェックは手術後の重要なポイントです。
傷口の清潔を保つために、特定の薬剤を使用して洗浄することがあります。指示通りに洗浄を行い、衛生的な状態を保ちましょう。
腫れてきたり、膿んできたり、出血が見られたりする場合にはすぐに手術を行った動物病院に相談してください。
処方された薬を正確に使用して、傷口の感染予防や炎症の抑制を行います。獣医師の指示に従って薬を投与し、飼い主の判断で薬を中止することの無いようにしましょう。
しかし猫によっては感染予防の抗生剤で下痢などの症状が起こることがあるため、猫の様子をよく観察し変わったことがあれば薬の変更などを行ってもらいましょう。
そして猫が傷口を舐めたりかむことがないよう、エリザベスカラーや体にフィットする術後複などを使用するのが良いでしょう。
特に飼い主が夜寝るときや外出する際など、人の目が届かなくなる時には必ず装着するようにしましょう。
・環境作り
手術後の猫は、人間が思うよりもとても疲れています。
そのため穏やかで安心できる環境を提供してあげることが重要です。
心配でたまらないとは思いますが、静かでストレスの少ない場所に猫を連れていき、安静に過ごせるようにします。騒がしい環境や活発な遊びは避けましょう。
猫の避妊手術後、生活での注意点
猫の避妊手術後は、ホルモンバランスの変化によって注意すべき点が多くあります。
• 適切な食事と運動
手術後の猫はホルモンの影響で太りやすくなるため、適切な栄養と適度な運動を必要とします。獣医師からは特定の食事や制限事項についての指示がある場合があります。また、適度な運動を促して筋力を維持することも重要です。
• 定期的な健康チェック
手術後の猫も健康状態を定期的にチェックしてあげましょう。予防接種や寄生虫予防など、獣医師の指示に基づいて適切な予防医療を受けましょう。
• 健康保険の確認
猫の健康保険に加入している場合は、手術費用や手術後の治療費用のカバー範囲を確認しましょう。多くの保険会社は避妊手術は保険の対象外となっていますが、特約などで保険適用となる場合があります。必要な請求書や書類をきちんと保管し、保険会社との連絡を適切に行ってください。
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