猫が人に送る愛情のサインを知って上手にコミュニケーション!
愛しさあふれて、ぎゅーっとハグ
かわいい動物たちを見ると、ぎゅっと抱きしめたくなることがありますよね。小さな子どもが、大切なお人形やぬいぐるみをぎゅっと抱きしめているように、私たちにとっても抱きしめる(ハグ)行為は愛しさの表れです。
ネコにとってのハグは、私たちヒトのように両手を広げて抱きしめる行為とは異なります。ネコ同士が身体をこすり、ぶつけている、それとも異なります。ネコのハグは、私たちヒトに対しても行われています。ネコがペロペロと顔をなめてくれる、差し出した手をなめてくれる、腕や身体や洋服.. 私たちをなめてくれる行為が、ハグそのものなのです。
親ネコが子ネコをなめてあげるのは、グルーミングはもちろんですが、かわいい子どもを愛おしく抱きしめているヒトの親と同じことなのです。もちろん、親子関係だけではなく、兄弟姉妹、一緒に暮らす家族や仲間であるネコに対しても、ネコ以外の動物に対しても、ネコは優しいハグ(なめる行為)を見せてくれます。
ゆっくり、遠くからのキス
ネコ同士が鼻をつんつんとつけている姿を見たことがあるでしょうか。こちらは微笑ましい仕草であり、まるで軽くキスをしているようにも見えますが、鼻をつんとんとしている行為は、においを確かめ、お互いを確認しているのでいわゆるキスとは全く異なるものです。
ハグ(なめる行為)が愛おしさを表現する行為だとすると、ほかにどのような仕草があるでしょうか。
ネコからのキス。あなたに対して心を許しているネコちゃんが傍にいるとしたら、きっと見たことがある仕草かも知れません。ネコと目を見つめ合わせたとき、時々じっと見つめ合ったあと、ゆっくりと、ぎゅっと目をつぶる仕草をされたことはありませんか。これこそが、ネコからのキス、愛情表現なのです。
ネコにとって、警戒して相手を見るとき、そのものが何であるかを見定めようとするとき、ネコは瞬き一つせずにじっとその対象を見つめます。ネコ同士で威嚇するとき、相手を警戒しているとき、目をそらしたら負けなのです。
大きな輝く瞳でじっとみつめ、目をそらさずに相手を安心させるために、ゆっくりぎゅっと目をつぶる、これはネコからの愛情のサインです。ネコから愛情を伝えられたら、あなたもネコをみつめ、目をそらさずにゆっくりと目をつむり、大好きだよ、と伝えてあげてください。きっとふたりとも幸せな気分で満たされるでしょう。
リフレインは愛情のしるし
ネコに声をかけると、じっと耳を傾け、こちらの様子を伺うでしょう。でも、一緒に暮らしたり、慣れているネコちゃんは、こちらが声をかけると目を細め、お返事をしてくれることもあります。そんな姿に、幸せを感じるヒトも多くいることでしょう。
ヒトのコミュニケーションと異なり、ネコはネコ同士で「会話」らしい会話をすることはありません。発情期、威嚇(喧嘩)以外では、特にオトナになったネコ同士が、声をかけ合うことは殆どありません。ネコがネコ同士のコミュニケーション、サインとして声を出すのは、子ネコがお母さんネコを呼ぶときくらいなのです。
最近ではヒトと暮らすネコちゃんが多くなり、おしゃべりなネコちゃんも増えています。元来、コミュニケーションとして使わない声を出す理由は、やはりヒトとの関わりです。私たちが声をかける、話しかける、その姿をネコたちはじっと見つめています。そして、私たちの感情を感じ取っています。また、声をサインととらえ、その後に続く行為(ごはんやおやつをもらえる、ブラッシングをしてもらえるなど)を覚えることもあります。ネコを始めとする動物たちは、言葉というツール(道具、手段)を使わない代わりに、ちょっとした仕草、気配、相手の微妙な動きや空気を感じ取る生き物です。ヒトである私たちに、その能力が欠けているのではなく、言語による情報伝達機能の発達により、ヒトはその感覚が衰えてしまっただけなのです。
ネコが声を出し、私たちに返事をしてくれている大きな一つは「共鳴」です。ネコ同士で威嚇をするときに発する声を、ヒトに対して起こすことももちろんあります。近寄らないで、触らないで、怖い、そうしたことを声をあげて発することもありますが、私たちが言う「お返事」をしている声は、それとは異なり、私たちに対するお返事であることは間違いありません。
ネコに伝わりやすい話しかけ方
ネコに話しかけるとき、ヒトは小さな子どもに声をかけるように、優しく、やわらかい声で話しかけます。強い口調で話しかけるヒトは、あまり多くないでしょう。ネコは、話しかけるヒトの温和な空気を感じ取り、発せられる声に対して共鳴して返します、それがネコたちのお返事の声なのです。
あるデータには、ネコは男性よりも女性の声の方が、反応が高いというものがありますが、それは男性と女性の声の周波数に関係しています。研究データにより、数値に幅はありますが、男性の声はおよそ100〜200Hz、女性はおよそ200〜300Hzと言われています。余談ですが、日本人の若い女性の声は、平均で350〜450Hzとも言われ、世界で一番高い声の周波数と言われています。日本人であれば、若い女性たち特有のにぎやかなおしゃべりの声がすぐに浮かぶと思いますが、それは一種独特のものなのですね。そしてネコにとっても、周波数の低い男性の声よりも、周波数が高い女性の声の方が聞き取りやすく、そのため女性の声の方が、男性よりも反応してくれるという結果に繋がっているのです。
元々は共鳴反応で返事をしてくれると考えられていますが、ヒトと生活を共にし、長い歴史を経てきた現代のネコたちは、脳も発達し、ヒトとの生活に深く関わり始めていることも事実です。そのことから、今では多くの言葉を理解しているとも考えられています。
私たちが話しかける声に、じっと耳を傾け、大きな目でこちらを見つめ、目をつむったり声を出して返事をしてくれるネコちゃんたちは、間違いなく私たちにこたえてくれているのです。
<おすすめ動画>
<関連記事>
愛猫が高いところから降りてこない!原因とふれあう方法5選猫は身軽で高い場所にもひょいひょい登ります。 おうちでは、キャットタワーや棚の上がお気に入りという猫ちゃんは多いかもしれませんが、猫によっては高い場所から降りられなくなったり、ずっと下に降りてきてくれなかったり心配になる場面もありますよね。 猫が高いところから降りてこない理由と対処方法について、紹介します。
<関連記事>
猫の噛みつきを広い心で考える犬だけでなく、猫にも噛みつきの行動があります。 たしかに噛みつかれてケガをするのは嫌ですが、これを問題行動だと決めつけて、とにかくやめさせようという意識を働かせるのが、果たして正しいのかどうか。猫の噛みつきについて、猫目線で考えてみます。
<関連記事>