猫の尿石症に対する治療と予防法

1980年代前半までは、大半がストルバイト尿石でしたが、現在日本国内では猫の尿石症において様々なミネラル組成が認められています。
では、実際に尿石症の診断および治療について各尿石ごとに具体的に話していきましょう。
シュウ酸カルシウム尿石
近年、シュウ酸カルシウム尿石の発生が上昇した性格な理由は不明です。
猫では尿を酸化するように調整されている食事を食べている群ではシュウ酸カルシウム尿石を発症するリスクが高いという複数の報告があります。
このようなことから、尿を酸性化させるフードの普及が原因となっているという仮説が立っています。
シュウ酸カルシウム尿石の再発予防にはウエットフードのような水分が多い食事を摂取することで尿を希釈させる効果がある為、尿石の危険性が低くなります。
根本的にシュウ酸カルシウムを溶かすプロトコールはない。しかし、ビタミンB6欠乏が猫におけるシュウ酸の尿中排泄を増加させると言われています。
この為、ビタミンB6を欠乏させないように注意する必要があります。
この他にも、クエン酸カリウムが増加すると、カルシウムとクエン酸は可溶性の塩を形成し、シュウ酸カルシウム結晶の形成は阻害されます。なので、シュウ酸カルシウム尿石の再発を繰り返す猫ではクエン酸カリウムの投与を考えてもいいかもしれません。
ストルバイト尿石
ストルバイト尿石は、尿中のリン酸、アンモニウムイオン、マグネシウムが過飽和になった結果として生じます。この過飽和はウレアーゼ産生微生物の感染により起こることもあるが、犬の場合と異なり、猫では尿路感染に起因するストラバイト尿石は少ないことが知られています。
ストラバイト尿石の治療法としては食事療法がまず挙げられます。
ストラバイトを溶かすために尿のPHを低く保ち、尿中のリン酸イオン、アンモニウムイオン、マグネシウムイオンの濃度を減少させることが必要です。
ナトリウムを猫の飲水量を高める目的で強化している療法食も販売されています。
ただし、高ナトリウム食を一定以上の年齢の猫に用いる場合には注意が必要です。

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