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いつか来るペットロスの予防に!病気やシニアのペットとの過ごし方

ペットロスカウンセラー
松永由美
[記事公開日]  [最終更新日]
いつかは来る最愛のペットとのお別れの日。
その日にやさしい気持ちで送り出してあげるには、今からどのようなことに気をつけて過ごせば良いのかをご紹介します。
[ 目次 ]
いつか来るペットロスの予防に!病気やシニアのペットとの過ごし方
「ペットロス」と聞いてもピンと来ない、自分やペットにはまだ先の話だと感じる方も多いかもしれませんね。
ですが、動物と暮らす人ならば誰にとってもペットロスは無関係ではありません。
特にシニアと呼ばれる高齢のペットや病気を抱えるペットがいるならば尚更です。
ペットロスカウンセラーとペット終活アドバイザーの視点から、病気やシニアのペットとの過ごし方についてお話します。

最期までペットの「らしさ」を失くさないように

犬でも猫でも私たち人間と同じように個性を持っています。
私はペットロスカウンセラーとして今まで多くの飼い主さんのお話をお聴きしてきました。
「○○ちゃんはどんな子でしたか?」と質問してみると「優しかった」「気が強かった」など、その子によってさまざまです。

みなさんのおうちのペットちゃんはどんな子ですか?
どの子にも「その子らしさ」があるかと思います。
飼い主さんには、ペットちゃんがその「らしさ」を旅立つその瞬間まで失わないように助けて欲しいのです。

「QOL(クオリティ・オブ・ライフ)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
人間の介護や看護の場でも使われている言葉ですが、犬や猫などペットの介護の場でも同じように使われます。
一般的には「人生の内容の質」を指して、「そのペットがどれだけ自分らしい生活を送り人生に幸福を見出しているか」をとらえる概念です。

飼い主は「ペットが旅立つその瞬間までQOLを維持する」ということを目標に過ごしていきましょう。

いつか来るペットロスの予防に!病気やシニアのペットとの過ごし方

「病気」「シニア」を切り離した考え方をしよう

私も愛犬が高齢になってからは「もう歳だから」と、ついお節介になってしまっていました。
きっと心当たりのある方は多いかと思います。

ペットを大切にしているからこその行動ではありますが、「その子はその子」であって「病気ちゃん」や「シニアちゃん」なんかではありませんよね。
高齢のペットや病気のペットと一緒に暮らしていると、ついさまざまなことを手伝ってあげたくなります。
でも、そんな時には一度冷静になってその子から「病気」や「シニア」というレッテルを剥がしてあげてください。

ペットの終末期で特に多く聞かれるのが「治療を進めるか見守ろうか悩んでいる」という声です。
ペットロスのカウンセリングで飼い主さんのお話を聞いていても「高齢だから手術を避けていたけれど、あのとき手術を受けていればもっと長生きできていたのかもしれない」という後悔の念を持つ方がとても多いのです。
何が正解か悩んでしまいますが、それはまさに「神のみぞ知る」ですよね。

「病気」「シニア」にとらわれずに「その子自身」を見るようにすることで、「今この子のために何をするべきか」が見えてくるはず。
それこそが「正解」なのではないかと私は思うのです。
飼い主さんがその子の幸せを一生懸命に考えて出した答えならば、きっとペットちゃんも受け入れてくれますよ。

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ペット自身の「できること」を奪わない

ペットは自分の体の状態を知りません。
もちろん「体が痛い」とか「なんだか怠い」などという体感や感情はありますが、それがなぜ起こることなのかは知らないのです。
「病気だから」とか「シニアだから」はあくまでも人間側のみが理解していること。

飼い主はペットを大切に思うあまり、つい「守る」ということに一生懸命になってしまいます。
大切なペットを守るのは当然飼い主の使命ですよね。決して間違いではありません。

ですが、ペット目線で物事を考えてみましょう。
ここに日頃のお散歩が大好きなワンちゃんがいたとします。
でも、病気になってしまってから飼い主さんは外に出すのが心配で散歩をやめてしまいました。
「病気にかかっている」ということが理解できないワンちゃんはきっと戸惑うはずです。
「前は毎日連れて行ってくれていたのに、どうしてだろう……?」と悲しんでしまうこともあるかもしれませんね。
かかりつけの獣医師さんに散歩を控えるように言われている場合にはもちろん我慢させなくてはいけませんが、そうではない場合には飼い主さん自らがペットちゃんから「ペット自身ができること」を奪わないようにしましょう。

例に挙げた散歩でもそうですが「家の中を歩くこと」「水を飲むこと」「トイレに行くこと」など、これはどんなことにも当てはまります。
私自身も今となっては反省しているのですが、愛犬の終末期には家の中を歩くことすら大変そうに見えたので愛犬が移動しようと立ち上がると毎回抱っこをしてトイレや水飲み場まで連れて行っていました。

しかし後になって、それは「私のエゴ」であって「愛犬の望むこと」ではなかったと気がつきました。
「愛犬が自分でできること」をすべて奪ってしまったのだと、愛犬が亡くなってからたくさん後悔することとなりそれがペットロスにもつながりました。

病気やシニアのペットと暮らす飼い主さんに意識してほしいのは「ペットが自分だけではできないことを助ける」というスタンス。
「あれもこれもやってあげよう」と思ってしまいますが優しく見守ったり少し助けてあげたりしながら、ペットが「自分でできた」という満足感や幸福感を持てるように心がけてみてくださいね。

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今からできることを考えてみましょう

最愛のペットが病気になったり高齢になったりして弱っているのを目の当たりにすると、飼い主は「元気なうちにもっとこうしてあげれば良かったな」と思ってしまうことがあります。
でも、後悔なんてしなくても大丈夫ですよ。
「今からできること」だってたくさんあるはず。

ペットちゃんの体調と相談しながら好きな場所へ連れ出してみたり、足型を取ってみたり、今からでも思い出をつくることはできます。
たしかに、以前と同じようにはいかないかもしれません。
それでも「愛するペットと過ごせる今」を大切に感じてみましょう。

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どんな道でもペットの幸せを願って決めたこと

私たち飼い主はいつもたくさんの選択肢に迫られますよね。
病気の場合は「治療を受けるか、受けないか」の選択を迫られます。
治療を始めたら今度は治療法だったり入院か在宅での治療かなど、決めなけらばならないことが次々にやってきます。

動物医療が発達したのはとても嬉しくありがたいことです。
でも、動物医療が発達したためにそうした選択肢が増えて「この道は本当に正しいのか」などという悩みが増えてしまったことも事実。

どの道を選んだとしても、それは飼い主であるあなたがペットちゃんの幸せを願って決めた道です。
ペットちゃんもきっと受け入れてくれると思います。

命あるもの、いつかはお別れの日が来ます。
それは誰にも避けることはできず、唯一この世で「絶対」と言えることでもあります。
いつかは来る旅立ちの日に優しい気持ちで「いってらっしゃい」と言えるように、今から少しずつ意識してもらえたら嬉しいです。

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